雨が、スクラッチ・オン・メモリー、傘が笑ってた。

 キてます最近キてます。ようやくわかりはじめましたようやくわかりはじめました。

 誰かが自分のことを見てくれているというだけで、頑張れるというのは嘘ではないようです。ぼくはとても感謝しています。とても感謝しています。

 レールと鉄輪が鋭く傷つけあう。ああ、ぼくは何がしたいんだっけ? コンビニで顔のない客をさばくために生まれてきたんだっけ? 窓から見える誰かと自分をすり替えながらそんなこと、電車に揺られながらそんなことを考えています。ああ、こんなはずではなかったのに!

 ギギギギという音が頭の中で、短く、重く、響くような感覚。それでいてヒリヒリする毎日。

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 王国に雨、止まなくなって2年が過ぎた。人々、傘手放さなくなった。傘、忘れられなくなって、少し嬉しい。ある日、雨止む。王様、喜ぶ。姫様、パーティ開く。みな傘をほうりなげ、王宮に駆けていく。残る、傘。傘の累々たる、亡骸。傘、声上げず泣く。悲しいのは捨てられたからじゃない。あいつらまた都合のいいときに何食わぬ顔で差しやがる!