キレイに生きる、僕らの足元に、暗い下水が流れてる。

みんなで飲んで、そのあと二人で飲んだ。想い出のあのコはいま、おれの知らない誰かと同棲しているらしい。あいづち打つよ。自分の弱さを打ちつけるために。あのコは。もう。手を伸ばしてももう届かない。

ぼくらがどんなにキレイに生きようとしていても、ぼくらがキレイに生きた分だけ、キタナイものが地面の下を流れていく。暗い下水管を通っていく。やがて海に流れ着く。どろどろぼたぼた流れていく。そんな海に生きる魚。ぼくらは魚を食む。ぼくらはどんどん汚れていく。きっとどんなに技術が進歩しても濾過することなんてできない。ぼくらはどんどん汚れていくしかない。それが生きるということなんだ。だから堕落しろ。とことん堕落しろ。坂口安吾の言うように。

終電のあとで、次の電車を待つ。哀しいかな、それでもやってくるのだよ、明日。