あの何でもなかった日々、I’m not by you、H2S。

このまえの雨の日、ふと電話をかけたともだちと、ちょうど1年前くらいだよね、なんて話した。1年前のことだなんてちっとも思えない。1年なんてあっという間に過ぎてしまう31536000秒。

僕が初めて映画を撮ったのも、なんとなく思い立ったからで、特に理由なんてなかった。穴だらけの脚本書いて、たいした準備もできなくて、デジカムは借り物で、ワンシーンのために大井町線を何回も往復して、海の中に入ってずぶぬれになって、打ち上げ花火で警察に怒られて。だけどとても楽しかった。みんなで何か1つのモノをつくるっていうことの楽しさがあった。

それから調子に乗ってもう一本、冬に映画を作ることになった。思い出作りっていったら変だけど、僕の22年間を振り返って、それで色々モヤモヤしていたものを一区切りするつもりだった。それもいろいろなひとに迷惑をかけながらも、なんとか出来上がった。ひさしぶりに今日の昼間に見て、少し笑えた。けれど、どこに出しても恥ずかしくない僕の、僕自身の映画だった。

それから4月に入社して、ADになるかと思っていたけれど、何かの縁でカメラマンに。不思議なものだよな、流れって。もし去年の夏、映画を撮ろうと思わなかったら、途中で諦めていたら、たぶん今の自分とは違っていたんじゃないかなって思う。たぶんじゃなくて、ぜったいに。

そんなこと考えながら、トム・ヨークのイレイサー流して机の上を整理したら、冬の映画の台本が出てきた。ごちゃごちゃいろいろ書き込みがあって、全部かき集めて読んだら、泣けた。

みんな、ありがとう。