おかえり、キミ電話ボク、ただいま。

石川から戻りました。いろいろ約束していたのに破ってしまったみんなごめんなさい。

取材しているときには震災について言いたいこととか書いておきたいことは正直あまりなかったんだけど、東京の人々の笑い顔や幸せや、いつの間にか咲いていた桜を見上げていたら、なんだかなと思ってしまった。

僕らは普段とっても幸せに生活できてるんだよってことを、まず知っておく必要がある。そうじゃなきゃ誰かに優しくなんてできない。他人の辛さも分からない。こんなこと言うのは心苦しいんだけど、正直なところ、僕自身もカメラを向けている部外者でしかないんだ。被災地域にいる間はいろいろ気を使うけど、帰る場所は避難所じゃなくて温泉が湧いてて倒壊なんかも一切無い場所だ。そんなところから一週間、被災地域を取材していてだんだん心苦しくなった事実。

東京帰ってきて僕らは恵まれてんだよなって。胸の少し上の部分に重たい円盤があるみたいな気持ち。たった直線数百キロの差なのにね。