八方塞、これ以上仲良くなれない、虚しくなるだけ。

祈る人の手は美しい――都現代美術館で大竹伸朗展が催されている。その中でもっとも感銘を受けた作品が、それだ。祈る人の手。大竹伸朗ポップアートの旗手みたいな扱いを受けているようだったけれど、僕はむしろ、そういった遭遇しにくい真摯な姿勢をカンバスにうつしとった作品がとても、とても好きだ。あとは『腐肉』という象の絵も好きだった。象、とっても足長くなってて、もう半分になってるよ、象。半分空に向かってる。死んでるのは餌の赤い肉じゃなくて、象だ。腐肉は象だ。

月島でもんじゃ食べて、有楽町阪急のギャルソンでシャツ&ニット買って、蒼井優×李相日の『フラガール』みたけどそんなに良くなかった。早送りしたくはならなかったけど、蒼井優の背中が細いなあなんて思っただけ。李監督にしてはよくなかったし、蒼井にしてもよくなかった。脚本に恵まれなかったのかな。

んで、久々に誰かを好きになれるかな、なんて思って最近ちょくちょく遊んでいましたが、結局のところ、ああ、この子は違うんだなって感じました。知識とか教養とか美貌だけでどうにかなるもんでもないんだな、恋愛って。可愛いよ、頭もいいよ、育ちもいいよ、でもなんかちげぇんだよな、ピンとこないっていうか。なにが違うかっていうのは分らないけど、確かに違うんだ。靄は確かにある。想い出を共有していないからかな。僕も大人になったからわざわざ「君は違う」だなんて言わないけど、それとなく、なんとなく、遠ざけていくよ。

うーん、きっと仲良くなろうと思う段階は超えた上で、(1)そのままどんどん仲良くなっていける人と(2)あれれってなって息合わなくて、ダメで収束してしまう人がいるんだろうな。なにがどう違うのかわからないけど、いっぱい出逢いとかあるけど、最近はなかなかどうして(1)が現れん。見落としてるのか、あるいは驕っているのか。とにかくもう会ったりするのはやめて、僕は僕のすべきこと(山ほどあるよね)をしなくちゃ。