ごめんねだけど、俯く容疑者、絶叫レポート。

何も悪いことをしていないけれど、この口をついてくる「ごめんね」。なんだろう。このごめんね。どこからでてくるこのごめんね。なにを呵責してるっていうんだ。

容疑者をカメラで追いながら思った。なんでそんなすまなそうなんだ。なんで周りは囃し立てているんだ。わかんね。わかんね。だけど、おれは回さないといけない。きちんと撮らないといけない。たとえ心の奥底からすまなく思っていても。

犯罪者は断罪されなければならないけれど、集団強姦的に断罪される必要はない。

NYで購入した大判写真集『EXHIBIT A』の著者であるGUY BOURDINが亡くなっていたことを知ってすこし不思議な気持ちになった。

僕はやはり、一度はやめようかと思っていた映画を撮ろうと思う。死を撮ろうと思う。あらゆる状況における誰かの死。それを撮ることで生を認識する方法しか、今の僕には見あたらない。虚栄心じゃない、自尊心じゃない。動物本来的興味であり、生への渇望の帰結だ。