なくなってない、遠いだけ、君は笑ってごまかした。

恋の仕方をいつのまにか忘れてしまうように、僕は距離感を失っている気がする。情熱や新鮮さや瑞々しさや。他人との距離感がいつにもまして遠い。多分ガラス瓶一個分くらいの距離の開きかたなんだけど、それが致命的な十数センチに思える。グリーン上のパッティングのようなシビアさで。

戸田誠二の『説得ゲーム』を買う。こんがらがった毛糸を解きほぐしてくれた。絵は好きじゃないけど、彼の考えていることはすっと胸に落ちた。それが僕はとても嬉しい。

週末はいつも憂鬱。だから「夕暮れのスーパーマーケットの前で吸うタバコやそれを見て微笑む愛する君の眼差しも」なんて歌っちゃうくるり『街』を何度も何度も聴いて歩いて聴いて歩いて、ほんとうに泣いちゃって仕方なくなっちゃって運河に爪先つけてみて冷たくて。