DAREKA

 この人の役に立てたら、と生まれて初めてくらいに強烈に思った。

 そして僕はその人と違う人をふと重ね合わせて思う。

 たとえ僕のそばにいまいなくてもいい。

 どこかで生きていてくれればそれでいい。

 何よりも大切なのは、

 僕のミミズみたいな脳の中で生きていることよりも、

 現実にこの世界のどこかで確かに呼吸していてくれることだ。