BAITOO
18-23バイト。
バイトの帰り道。ナグがいた。話しかけようかなとか思ったけど、なんか話しかけなかった。欠けられなかったんじゃなくて意図的に話しかけなかった。でもそれでよかったんだと思う。
(15時になったら家を出るぞ)
さて、俺は最近バイトばかりしているが、忙殺されゆく日々の中でおれは何かを見失ってしまっているように思える。「さて?」俺は何をしたかったのか、その理想が薄弱の中に消えていくのがなんとなしに分かる。「あれれれれれ?」一体俺は何をしたかったんだっけ? でもそんなのはどうでもいいことなんだよ。今おれがしたいことが俺のすべきことなんだ。過去の俺は熱かったにせよ、俺は今の俺を信じていく。
さて、さて。バイト先のお客さんが話していた言葉がやけに胸にしみ入った。
「その人と中途半端だったから、逆にいつまでも残るんだよ。本当は何でもなかったのかもしれないよ。会ってみれば失望するようなことばかりかもしれないんだからね」
やれやれ。いつまで俺はその場所にしがみついているつもりなんだろう?
- 作者: 三島由紀夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/10
- メディア: 文庫
- 購入: 12人 クリック: 205回
- この商品を含むブログ (357件) を見る