SUWARIKOMI

 例の横田さん夫婦を主体とした国会前座り込みに行ってきた。

 この炎天下の中、国会までチャリで行った訳だけど、こう、何ていうのか腰を下ろして目線を少し下げるだけで見えてくるものが多い。

 別にそれまであまり関心の無かった拉致問題拉致被害者家族にシンパシーを覚える中で、自分がなすべきこと、そしてなしたいと思うことに自信がついた。

 ちょうど前日、朝5時までバーで飲んでいたわけだけど、そのとき見た夏至の朝日に何かを思った感情が少しだけ明確な輪郭を捉えた。

 国会に行く前に、六本木ヒルズで見た多くの人々――すごく楽しそうで、幸せそうで、傲慢そうで、胡散臭い人々だ――のことを、地べたに座り込んで「経済制裁発動せよ」と書かれた張り紙を持ちながら、思った。

 そんなに遠くない二つの場所、国会と六本木。蜃気楼のように、お互いからは想像し得ない。

 およそ何人もの人々が座り込む。そのこと自体、素晴らしい、などとぬかすつもりはないし、ましてや賛歌するつもりはない。でも、僕らはもう少しだけ、居心地のいい場所や、守られた場所から一歩足を踏み出して、そこから見える違った風景に目を向けるべきなんじゃないか。

 やったるでー。